日本大百科全書(ニッポニカ) 「スタンフォード大学」の意味・わかりやすい解説
スタンフォード大学
すたんふぉーどだいがく
Leland Stanford Junior University
アメリカ合衆国カリフォルニア州パロ・アルトにある私立大学。大陸間鉄道の建設者で、州知事、連邦上院議員でもあったリーランドLeland(1824―93)とジェーンJane(1825―1905)のスタンフォードStanford夫妻が、15歳で亡くなったひとり息子を悼んで、「カリフォルニアの子はみなわが子とならん」と願って、1885年に創設した。初代学長はデイビッド・スター・ジョーダンDavid Starr Jordan(1851―1931)で、1891年から開校した。現在、「学問の七つの柱」と称される7学部(school)、文理学、工学、教育学、経営学、地球科学、法学、医学をもち、各学部は独立しながらも相互に関連しあい、全学教授団を形成している。教授団は学部課程と大学院レベルの学生の双方を教え、学生は他学部の施設・設備を共用することができる。大学院の質は全米ランキングでつねにトップを競う。
1980年代後半、西洋文化を中心とした一般教育科目を廃止し、人種・民族的に多様な文化を尊重する多文化主義に基づいたカリキュラム改革を行い、大論争を巻き起こした。
また、近隣のシリコンバレーを中心とした「産学協同」は、大学の研究と企業活動との共同事業のモデルと目されている。2003年現在、教員数1749人、学生数1万4454人。
[喜多村和之・杉谷祐美子]
『ホーン・川嶋瑶子著『飛躍する大学スタンフォード』(1985・小学館創造選書)』