明けし・清けし・爽けし(読み)さやけし

精選版 日本国語大辞典 「明けし・清けし・爽けし」の意味・読み・例文・類語

さや‐け・し【明けし・清けし・爽けし】

〘形ク〙 (「けし」は接尾語)
けじめがはっきりしている。はっきりしていて明らかである。あざやかである。見た目に分明である。
肥前風土記(732‐739頃)三根「四もを望みますに、四方分明(サヤケ)りき〈分明を佐夜気悉と謂ふ〉」
源氏(1001‐14頃)末摘花「待たるる月の心もとなきに、星の光ばかりさやけく」
② 清らかである。さっぱりしている。気分的にさわやかである。すがすがしい。《季・秋》
万葉(8C後)二〇・四四六七「劔大刀いよよ研ぐべし古ゆ佐夜気久(サヤケク)負ひて来にしその名そ」
③ 音、声などがはっきりとしてさわやかである。快い響きである。耳に快く感じられる。
※万葉(8C後)一七・四〇〇三「行く水の 音も佐夜気久(サヤケク) 万代に 言ひ続ぎ行かむ 川し絶えずは」
[補注]「日葡辞書」では口語形で「Sayaqei(サヤケイ)」と出し、「気候が寒いこと、または、月が明るく輝いていること。歌語」と説明している。
さやけ‐さ
〘名〙

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android