明・清(読み)さや

精選版 日本国語大辞典 「明・清」の意味・読み・例文・類語

さや【明・清】

〘副〙 (多く「に」を伴って用いられる)
① あざやかなさま、はっきりしているさまを表わす語。
万葉(8C後)一四・三四〇二「日の暮(ぐれ)碓氷(うすひ)の山を越ゆる日は夫(せ)なのが袖も佐夜(サヤ)に振らしつ」
※名語記(1275)六「さやにといへる、詞、如何。さはやかを反せば、さやとなる、月の光など、これ也」
② 清らかなさま、さっぱりしたさまを表わす語。
古事記(712)中・歌謡芦原の 密(しけ)しき小屋(をや)菅畳 いや佐夜(サヤ)敷きて」
③ 音が静寂を乱してひびくさま、木の葉などがざわめくさまを表わす語。ざわざわ。さらさら。
※万葉(8C後)二・一三三「ささの葉はみ山も清(さや)にさやげども我は妹思ふ別かれきぬれば」
音色などの澄んでいるさま、また、澄んで快いさまを表わす語。
梁塵秘抄(1179頃)二「鈴はさや振る藤太巫女(みこ)
[補注]①②の意から派生したものに「さやか」「さやむ」「さやけし」、③の意から派生したものに「さやぐ」などがある。また「さゆ(冴)」も同根と見られる。

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