国指定史跡ガイド の解説
かすがたいしゃなんごうもくだいいまにししやしき【春日大社南郷目代今西氏屋敷】
大阪府豊中市浜にある中世の荘官屋敷。中世以降、近世・近代にいたるまで数百年にわたり継続してきたもので、豊富な文書とともに、その実態を知るうえで欠くことができない遺跡として、2009年(平成21)に国の史跡に指定された。平安時代末期に、藤原氏の荘園が奈良の春日大社に寄進されたことを受けて、今西氏が荘園経営を行う荘官(目代)として移り住んだ。今西氏は春日社の社家出身であったため、室町時代には南郷目代と称され、16世紀末にその地位を失うが、近世以降は医師や神主などとして活動。今西氏屋敷の周辺は水田地帯であり、現在の屋敷は南北約1町、東西約半町の規模で、これを囲み込むように2町四方の明瞭な地割りがみられる。屋敷内には近世に建築された主屋、春日社から移築した南郷春日神社があり、主屋背後に土塁状のたかまりをなす築山、西南にある松林寺境内には今西家の墓所がある。阪急電鉄宝塚本線服部駅から徒歩約15分。