築山(読み)つきやま

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

築山
つきやま

日本庭園に人工的に土砂を用いて築いた山。中国庭園のようにを用いて築かれることは少ない。古くは平安時代の池泉庭園にもみられ,『作庭記』にも記述がみられる。室町時代には枯山水 (かれさんすい) の流行とともに著しく発達した。さらに安土桃山時代以降になると,回遊式庭園造営によって築山も大規模なものとなった。

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百科事典マイペディアの解説

築山【つきやま】

日本庭園に築かれる人工の山。平安時代にもみられるが,枯山水回遊式庭園の出現とともに発達し,庭園に立体的な美しさを加えるようになった。名山になぞらえたものや,四周の眺望を得るためのものもある。
→関連項目石組み

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世界大百科事典 第2版の解説

つきやま【築山】

庭園などで,人工で土砂を小高く盛り上げ,あるいは石を積んで築いた山。中国では仮山という。古墳も築山の一種といえるが,庭園では612年(推古20)に渡来人路子工(みちこのたくみ)が皇居の南庭に設けたという須弥山(しゆみせん)が,記録(《日本書紀》)にあらわれる最古の例である(ただし,これを須弥山石像とする説がある)。平安時代以降,毛越寺(もうつうじ)庭園はじめ実例は多いが,特に江戸時代の大名庭園では庭景の一要素として重視され,高い築山上からの眺望を目的としたり(東京駒込六義園,高松栗林園),富士山(熊本水前寺成趣園)や中国の廬山(東京小石川後楽園)など内外の名勝を写したりして,趣向をこらしたものがつくられた。

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大辞林 第三版の解説

つきやま【築山】

庭園などに山をかたどり、土砂または岩石で小高くきずいたところ。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

築山
つきやま

日本庭園における人工的な山の呼称。庭園の意匠のなかでは、池や流れの水に対して主要なものであるが、鎌倉時代までは「築山」の呼称はなく、室町時代の『作庭記』にも「又山をつき野すぢを置事(おくこと)は地形により池の姿にしたがふべき也(なり)」とあるように、「山をつく」→「山を築く」からこのことばが生まれたと考えられる。
 築山には、地形に変化を与えその起伏によって庭に深みをもたせようとする場合と、築山の高所からの眺望を目的とする場合が考えられ、一般に多くの石組(いわぐみ)を施すのが普通である。築山の意匠で特異なものに江戸初期の寛永(かんえい)(1624~44)ごろのものがあり、ここでは石組も植栽もせず、芝や刈り込みだけで山容の美を主張している。[重森完途]

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精選版 日本国語大辞典の解説

つき‐やま【築山】

〘名〙
① 庭園などで、山に見立てて石または土砂を盛りあげてきずいたもの。また、庭園全体をさすこともある。
※海道記(1223頃)蒲原より木瀬川「天神の築山は、松の姿を今のながめに見る」
② 墓などの、土を盛り上げてつくった小山状のもの。土饅頭
浮世草子・好色二代男(1684)四「雨降り風立 築(ツキ)山の新墓」

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世界大百科事典内の築山の言及

【庭園】より

…大きな露地は途中に垣根を一つ二つつくって変化をつくり,また見る要素を強くするようになった。平庭に近かった露地に築山をもうけ,流れや池までもつくり,また石灯籠が重要な見どころとなったのもこのころである。ここに寝殿造風な庭園の伝統や書院庭の石組みの流れと触れあう面があった。…

※「築山」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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