家庭医学館 「晩期出血」の解説
ばんきしゅっけつ【晩期出血 Late Puerperal Bleeding】
分娩(ぶんべん)後、長期間経過していても、子宮から出血する危険性がありますが、分娩が終わって24時間以降におこる性器出血を、晩期出血といいます。
[原因]
子宮内に胎盤(たいばん)などが残っているとき、つまり子宮復古不全(しきゅうふっこふぜん)(「子宮復古不全」)にともなっておこる場合と、気づかれずにそのままとなった裂傷、血腫(けっしゅ)、腫瘍(しゅよう)(子宮筋腫(しきゅうきんしゅ)、悪性腫瘍)、子宮内反(しきゅうないはん)(子宮の内側と外側が反転してしまう状態)、全身性の血液疾患などがあっておこる場合があります。
[治療]
まず、子宮収縮剤を使用します。それでも止血しないときは、感染を助長させないために、産後5~7日目に子宮内掻爬(そうは)(子宮内容物の除去手術)が行なわれます。ただし、出血量の多いときには、ただちに子宮内掻爬術が行なわれます。
そのほかの原因で出血がある場合は、それぞれに適した治療が行なわれます。