暗視野像(読み)アンシヤゾウ

化学辞典 第2版 「暗視野像」の解説

暗視野像
アンシヤゾウ
dark field image

普通の電子顕微鏡像は,透過してくる電子線結像する明視野像であるが,直接透過してくる電子線をさえぎり,試料により散乱した電子線のみで結像すると,普通の明視野像と明るさの反対の像が現れる.これを暗視野像という.暗視野像を得るために直接電子線をさえぎる方法には,対物レンズ絞りを動かす方法,コンデンサーレンズに別の円形絞りを入れる方法,電子銃を傾斜する方法などがある.対物レンズ絞りを電子線の直射点からはずしてブラッグ(Bragg)反射によって起こる暗視野像をとくにブラッグ暗視野像といい,結晶の特定格子面のみの像が得られ晶癖の研究に用いられる.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android