化学辞典 第2版 「暗視野像」の解説
暗視野像
アンシヤゾウ
dark field image
普通の電子顕微鏡像は,透過してくる電子線を結像する明視野像であるが,直接透過してくる電子線をさえぎり,試料により散乱した電子線のみで結像すると,普通の明視野像と明るさの反対の像が現れる.これを暗視野像という.暗視野像を得るために直接電子線をさえぎる方法には,対物レンズ絞りを動かす方法,コンデンサーレンズに別の円形絞りを入れる方法,電子銃を傾斜する方法などがある.対物レンズ絞りを電子線の直射点からはずしてブラッグ(Bragg)反射によって起こる暗視野像をとくにブラッグ暗視野像といい,結晶の特定の格子面のみの像が得られ晶癖の研究に用いられる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報