最高善(読み)サイコウゼン

デジタル大辞泉 「最高善」の意味・読み・例文・類語

さいこう‐ぜん〔サイカウ‐〕【最高善】

倫理学で、善悪を判定する究極規準となる最高の道徳的理想目的至善至高善

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精選版 日本国語大辞典 「最高善」の意味・読み・例文・類語

さいこう‐ぜんサイカウ‥【最高善】

  1. 〘 名詞 〙 この上ない善。人間生活の最高の道徳的理想。物事の善悪を判断する上での、究極の規準としての最高目的。至善。至高善。
    1. [初出の実例]「早いものさ。一年前までは唯一実在だの最高善(サイカウゼン)だのと云ふ語に食傷してゐたのだから」(出典青年と死と(1914)〈芥川龍之介〉)

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世界大百科事典(旧版)内の最高善の言及

【善】より

…特にそれを〈よいもの〉,ないしは〈財〉,すなわちギリシア語のagatha,ラテン語のbona,ドイツ語のGüterなどという複数形の意味するものから区別して,道徳的意味に限定しようとするかぎり,善は倫理学の最も基本的な主題の一つである。道徳的善をある独立の観念的実在とみる見解は,〈善のイデア〉を探究したプラトンに始まり,新プラトン主義を経て,最高の自体的善=最高善としての神という中世哲学の形而上学的概念において,そして近代以降にも神学的倫理学において認められ,M.シェーラーやN.ハルトマンの価値倫理学にもその影響が認められる。 総じて古代ギリシアにはさらに,幸福をいっさいの本性的活動の究極目的とみなす考え方があり,そこからアリストテレスは道徳的善をに即しての人間の魂の活動として把握したが,この種の見解はエピクロスの節度ある賢明な快楽主義とストア学派の厳格な道徳哲学という両方向において展開された。…

※「最高善」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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