月読命(読み)つきよみのみこと

日本大百科全書(ニッポニカ) 「月読命」の意味・わかりやすい解説

月読命
つきよみのみこと

「つくよみのみこと」ともいう。月神。男神。記紀神話で、日神天照大神(あまてらすおおみかみ)や素戔嗚尊(すさのおのみこと)とともに貴い神として出現するが、神話での活躍はきわめて少ない。『日本書紀』の一伝で、食物神に食を乞(こ)うたところ、食物神がそれを口から出して饗(きょう)したために怒ってこれを殺害する神として登場するのみである。月神は日神の尊厳の前で、記紀神話への展開を阻まれたのであろう。しかし記紀神話とは別に「顕宗(けんそう)紀」には壹伎(いき)国の月神の山城(やましろ)国葛野(かとの)郡への遷祀(せんし)があり、神仙思想の影響による変若水(おちみず)(若返りの水)を歌う万葉集歌などもある。また月読の「ヨミ」は数える意で、月神信仰の基盤に、暦(日(こ)よみ)渡来以前の月ヨミの技能集団の移住を考える説もある。月神の祭祀民間信仰は、これらの外来文化や思想の影響を受容して、記紀神話とは別に成長を遂げたのであろう。

吉井 巖]

『大久保正著『月夜見の持てるをち水』(『万葉集の諸相』所収・1980・明治書院)』

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