有救島(読み)うくしま

日本歴史地名大系 「有救島」の解説

有救島
うくしま

古代にみえる島名で、宇久島に比定される。承和五年(八三八)六月一七日、藤原常嗣(遣唐大使)が率いる第一七次遣唐使船の第一船・第四船が筑前博多大津を進発、同月二三日の巳時に「有救島」に至り、酉時には東シナ海に乗出したが、途中で第四船を見失ったという(入唐求法巡礼行記)。この遣唐使船は承和三年七月二日に博多を出航して遭難、同四年七月にも出帆したものの、逆風壱岐島あるいは値賀ちか島に漂着しているが、同五年には渡唐に成功したようであり(「続日本後紀」承和三年七月一五日・同四年七月二二日・同五年七月五日・同七年三月三日の各条など)前年の失敗を踏まえたうえでの宇久島への寄港とされ、この停泊地はこう浦と推定される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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