改訂新版 世界大百科事典 「有節植物」の意味・わかりやすい解説
有節植物 (ゆうせつしょくぶつ)
articulates
維管束植物の1綱で,節がはっきりし,俗にいう“つくしん坊”をつける一群の植物。現生植物は1属15種からなる。別名楔葉(けつよう)/(せつよう)植物,輪葉植物,トクサ植物。古生代後半には多様な型をとり,森林の中心となる木本(蘆木(ろぼく)など)も繁栄していた。茎は節と節間がはっきりし,節間の内部は中央の髄腔をとり囲むようにして2種の気道が同心円状にならぶ。根は地中をはう地下茎の芽から出る。葉は輪生し,互いにくっつきあって鞘(さや)をつくり,先は遊離した歯片である。葉脈は1本。枝も輪生し,葉と交互にならぶ。胞子囊穂は茎の先端につき,胞子囊托が輪生する。胞子囊托は六角形の楯状で,内面の中央に柄がつく。胞子囊はその内面に数個つく。胞子囊穂は成熟すると茎が伸びて,胞子をとばす。胞子は同型胞子で,葉緑体を含み,表面に4条の弾糸がある。茎はケイ酸塩を多量に含んで硬いので物を磨くのに使われる。スギナの胞子茎(ツクシ)は食用にされる。トクサ属のいろいろな種が薬用,利尿剤などに利用される。
執筆者:加藤 雅啓
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報