山川 世界史小辞典 改訂新版 「有輪犂」の解説
有輪犂(ゆうりんすき)
wheeled plough[英],charrue[フランス],Räderpflug[ドイツ]
ゲルマン犂,重量有輪犂,方形犂とも呼ばれる。中世以来近代まで,ヨーロッパで広く用いられた車輪付きの大型犂。馬や牛に引かれて,犂刃が湿潤な土壌を切り開き,犂先が深く掘り起こし,撥土板(はつどばん)が土塊を反転させて耕すことによって,農業生産性を向上させた。中世には,開放耕地制や三圃(さんぽ)制と結びついて,村落全体で共同運用され,村落共同体の形成を促した。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報