有馬山(読み)アリマヤマ

デジタル大辞泉 「有馬山」の意味・読み・例文・類語

ありま‐やま【有馬山/有間山】

有馬付近の山々の称。[歌枕
「しなが鳥猪名野ゐなのを来れば―夕霧立ちぬ宿やどりはなくて」〈・一一四〇〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「有馬山」の意味・読み・例文・類語

ありま‐やま【有馬山・有間山】

  1. [ 1 ] 有馬温泉付近の山々の総称古歌に多く詠まれ、歌枕の一つ。
    1. [初出の実例]「嘆きつつ我が泣く涙有間山(ありまやま)雲居たなびき雨に降りきや」(出典万葉集(8C後)三・四六〇)
  2. [ 2 ] 〘 名詞 〙
    1. 「有馬」に「あり」をかけて、単に「ある」の意にいう、しゃれ。
      1. [初出の実例]「今時のけいせいにまことなしとはうそさ、まこともすこしはありま山」(出典:黄表紙・啌多雁取帳(1783))
    2. 「無し」というのを忌んでいい、かつ、そのしゃれとする。
      1. [初出の実例]「誠にかたじけありま山、いなとは申さず」(出典:滑稽本・世中貧福論(1812‐22)後)

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