国指定史跡ガイド 「朝夷奈切通」の解説
あさいなきりどおし【朝夷奈切通】
神奈川県鎌倉市十二所・横浜市金沢区朝比奈町を結ぶ坂道。鎌倉の北東出入り口にあたり、鎌倉と武蔵国久良岐(くらき)郡六浦(むつら)を結ぶ六浦路の最高所に位置する。鎌倉七口(ななくち)の一つで、大切通、小切通の2つがあり、1969年(昭和44)に国の史跡に指定され、2007年(平成19)と翌年に追加指定された。地元では朝夷奈義秀(あさひなよしひで)(朝比奈義秀)が一夜のうちに切り抜いたので、その名前が付いたと伝えられており、『吾妻鏡(あずまかがみ)』によると、1240年(仁治1)、鎌倉・六浦間の道路を切り開くことが決まり、翌年に工事を開始。執権北条泰時(やすとき)も出かけて監督しており、多くの人が集まって土や石を運ぶのを見たことが記されていることから、この切り通しはその時に開通し、六浦の塩などの生活物資を鎌倉へ運ぶ重要ルートとなったものと推定されている。京浜急行本線金沢八景駅から湘南京急バス「朝比奈」下車、徒歩約4分。