精選版 日本国語大辞典 「六浦」の意味・読み・例文・類語
むつら【六浦・六連】
- [ 一 ] 神奈川県横浜市金沢区一帯の古称。三浦半島東側の基部にあり、鎌倉市の東部に隣接する。景勝地として知られた。
- [ 二 ] ( 六浦 ) 謡曲。三番目物。各流。作者未詳。都の僧が相模国六浦の称名寺に立ち寄り、寺の庭の一本の楓(かえで)だけが紅葉していないのを見て不思議に思う。折から通りかかった女に訳を尋ねると、女は昔鎌倉中納言為相(ためすけ)卿がこの寺に来た時、この木が山の木々に先だって紅葉しているのを見て一首の和歌をよんだところ、木は喜んで功成り名とげた上は身を退くべきだと信じ、以来紅葉しなくなったと語り、自分が楓の精だと名乗って姿を消す。その夜楓の精が現われて、草木国土悉皆成仏の徳をたたえて舞を舞う。