朝日日本歴史人物事典 「朝野魚養」の解説
朝野魚養
奈良時代の官人,能書家。延暦6(787)年正六位上から外従五位下に昇り,翌年播磨大掾,典薬頭に任じられた。同10年申請によって,従来の忍海連から新たに朝野宿禰を賜る。書に優れ,大和薬師寺の扁額および同寺所蔵の大般若経33巻(魚養経と称される)は彼の筆になるものと伝える。奈良市十輪院町の十輪院(元興寺の一院)には魚養塚があり,彼の筆と伝える大般若経を所蔵する。また同院の開基のひとりと伝える。
(今泉隆雄)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報