改訂新版 世界大百科事典 「朝鮮日日新聞」の意味・わかりやすい解説
朝鮮日日新聞 (ちょうせんにちにちしんぶん)
朝鮮で発行された日刊の植民地新聞。1920年7月1日《京城日日新聞》として創刊。朝鮮総督府の代弁機関とみられていた《京城日報》などに対抗する〈民論〉発揚の新聞として出発した。22年には《京城日報》の2万7000部に対して《京城日日新聞》は約8000部と,他紙の《釜山日報》の1万5000部,《朝鮮日報》の1万1000部にも及ばず(《日本記者年鑑》),経営状態はよくなかった。31年3月15日前京城日報社支配人鮫島宗也の手に経営権が移り,《朝鮮日日》と改題した。しかし,経営は好転せず,経済紙《朝鮮商工新聞》を経営する斎藤五吉に買収され,その姉妹紙として再出発する。〈民論〉高揚の性格が薄れ,戦中は日本の〈大陸兵站基地政策〉に協賛し,敗戦とともに終刊。
執筆者:香内 三郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報