本来無一物(読み)ホンライムイチモツ

デジタル大辞泉 「本来無一物」の意味・読み・例文・類語

ほんらい‐むいちもつ【本来無一物】

仏語事物はすべて本来くうであるから、執着すべきものは何一つないということ。禅宗でいう。

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精選版 日本国語大辞典 「本来無一物」の意味・読み・例文・類語

ほんらい‐むいちもつ【本来無一物】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「ほんらいむいちぶつ」とも ) 仏語。存在する物は、本来すべて空(くう)であるから、わが物として執着すべきものは一つもないこと。一切のものから自由自在になった心境
    1. [初出の実例]「本来無一物、何処有塵埃なり」(出典:正法眼蔵(1231‐53)古鏡)

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世界大百科事典(旧版)内の本来無一物の言及

【題壁詩】より

…唐代詩人にも〈壁に題す〉と題がつけられているものが数多くあるが,すべて〈題壁詩〉である。初唐の人である慧能(えのう)(南宗禅の始祖)が,〈本来無一物〉の句を含む悟境を示す詩を題壁して,五祖弘忍(ぐにん)に認められ,ついに六祖の衣鉢を与えられたという《六祖壇経(ろくそだんきよう)》の話はよく知られている。【鈴木 修次】。…

※「本来無一物」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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