日本の城がわかる事典 「本渡城」の解説 ほんどじょう【本渡城】 熊本県本渡市にある中世の山城(やまじろ)。連山の東端尾根に位置し、標高76mの最高点に本丸があり、三方から曲輪(くるわ)が取り囲む。本丸から南西および南東方向は、それぞれ堀切と幅7~8m・長さ100m以上の急な尾根となっており、さらに下った二の丸には天草切支丹館が建てられている。16世紀に入ると天草氏は天草五人衆のなかで最も有力な存在となり、下島中央から南部の地域を支配し、本渡城は本城に次ぐ主要な城であった。天草五人衆は豊臣秀吉に領土を安堵され肥後国衆一揆にも参加しなかったが、小西行長の宇土城普請を拒否したことから1589年(天正17)に合戦が起き、天草氏は志岐氏とともに籠城・抗戦し、天草種元の本渡城は加藤清正・小西勢によって攻め落とされた。JR鹿児島本線熊本駅、熊本交通センターからバス150分で本渡バスセンター下車、タクシー10分。島原鉄道口之津駅、口之津港からフェリー30分で鬼池港下船、車30分。 出典 講談社日本の城がわかる事典について 情報