本読(読み)ほんよみ

精選版 日本国語大辞典 「本読」の意味・読み・例文・類語

ほん‐よみ【本読】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 本を読むこと。特に書物を好んでよく読む人。読書家。
    1. [初出の実例]「あそこここ本よみをしやした」(出典:洒落本・青楼快談玉野語言(1822)二)
    2. 「大学と云ふ所には大した書物読(ホンヨミ)が沢山飼ってあると云ふが」(出典:良人の自白(1904‐06)〈木下尚江〉中)
  3. 芝居で、上演脚本が決定し稽古を始める前に、作者または演出者が出演者や関係者を集め、脚本を読み聞かせること。また、稽古の最初に、出演俳優が脚本をせりふのような調子で読み合うこと。
    1. 本読<b>②</b>〈戯場楽屋図会〉
      本読〈戯場楽屋図会〉
    2. [初出の実例]「あほらしい狂言じゃ。是をおめおめとよう本読がしられた事じゃ」(出典:浮世草子・当世芝居気質(1777)四)
  4. 転じて、筋書きをつくること。計画をたててその打合せをすること。下相談。
    1. [初出の実例]「てめへもおつう本よみをしたな狂言がおさまったとみへるぜへ」(出典:洒落本・仕懸文庫(1791)二)
  5. 台詞(せりふ)のやりとり。
    1. [初出の実例]「さぞとなりの本よみはおもしろからふと屏風ごしに聞ば」(出典:洒落本・御膳手打翁曾我(1796か))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android