杆体(読み)かんたい

百科事典マイペディア 「杆体」の意味・わかりやすい解説

杆体【かんたい】

杆状体とも。目の網膜にある杆体視細胞の一部で,形態的には外方に向かう小杆状の突出部,機能的には感光部位である。中にロドプシン(視紅)という色素を含み,光が当たるとその色があせ,光をさえぎると色が回復する。網膜外層に錐体と混在するが,ヒトでは杆体のほうがはるかに多い。網膜の中心窩(か)では錐体だけで杆体はない。両者割合は動物によって異なり,夜行性のコウモリネズミフクロウ深海魚などではほとんど全部が杆体である。杆体は薄明視に関与し,錐体は昼間視と色覚に関与するとされる。
→関連項目網膜夜盲症

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典(旧版)内の杆体の言及

【視覚】より

…外節は繊毛の変形したものである。脊椎動物の視細胞は,外節の形の違いにより錐体と杆体(かんたい)に分けられる。錐体は明るいときの視覚(昼間視)に関係し,杆体は薄暗いときの視覚(薄明視)に関係する。…

※「杆体」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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