錐体(読み)すいたい(英語表記)cone

翻訳|cone

精選版 日本国語大辞典 「錐体」の意味・読み・例文・類語

すい‐たい【錐体】

〘名〙
平面上の閉じた曲線(または折れ線)およびその内部の各点と、平面外の一定点とを結ぶ線分で作られる立体図形。一定点とその頂点、平面上の曲線(または折れ線)をその導線、導線上の点と頂点とを結ぶ線分をその母線、導線およびその内部をその底面という。底面が円のとき円錐多角形のとき角錐と呼ぶ。錐。
頭蓋骨の内部にある①の形をした隆起部分。中に錐体路と呼ばれる神経路がある。

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デジタル大辞泉 「錐体」の意味・読み・例文・類語

すい‐たい【×錐体】

平面上の円または多角形の閉曲線の各点と、平面外の一点とを結んでできる立体。円錐・角錐など。
錐状体すいじょうたい
延髄前面にある溝(前正中裂)の両側にある錐体状の隆起。大脳皮質から脊髄へ下行する神経線維が交叉している。

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改訂新版 世界大百科事典 「錐体」の意味・わかりやすい解説

錐体 (すいたい)
cone

平面上の図形Fの各点Pとその平面上にない定点Oを結ぶ線分OPの全体によってできる図形を錐といい,Oを頂点,Fを底,各線分OPを母線という。とくに立体となる錐を錐体という。錐体の底をふつう底面といい,頂点から底面ののっている平面までの距離を錐体の高さという。錐体の体積は(底面の面積)×(高さ)÷3で与えられる。底面が多角形である錐体を角錐といい,底面が円である錐体を円錐という。底が曲線である錐は曲面となるが,これを錐面という。錐面の底を導線ともいう。なお,錐面の各母線を延長した直線全体のつくる曲面を錐面と呼ぶこともある。導線が円である錐面を円錐面という。錐面は伸び縮みなしに平面上にひろげることができる。
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百科事典マイペディア 「錐体」の意味・わかりやすい解説

錐体【すいたい】

錐状体円錐体とも。目の網膜の最外層にある円錐状の視細胞昼行性の動物の網膜に多く昼間視および色覚にかかわっている。多くの動物の網膜には感受波長の異なる数種の錐体があり,それぞれの情報の統合によって色覚が生じる。→杆体

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「錐体」の意味・わかりやすい解説

錐体
すいたい
pyramis; pyramid

(1) 脳の一部で,脳の最下部である延髄の前面に左右1対ある縦方向の高まりをいう。この高まりは大脳皮質から脊髄に下行する錐体路 (随意運動の伝導路) が通るために生じたものである。 (2) 側頭骨の一部をいう。この内部に内耳がある。 (3) 目の網膜にある視細胞の一つである錐体細胞が,外境界膜より突出した突起部分をいう。

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栄養・生化学辞典 「錐体」の解説

錐体

 網膜にある構造で,円錐形をしていることから名づけられている.

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世界大百科事典(旧版)内の錐体の言及

【海底地形】より

… 海底谷canyonsubmarine canyon―比較的狭く深い凹みで,両側は急峻で,底は連続的な傾斜を有する。 海底扇状地fanconedeep sea fandeep sea conesubmarine fansubmarine cone―海底または海底谷の集りの末端から外側へ規則的に傾斜していく,比較的滑らかな地形。 海底堤防levee海底谷,海谷またはチャンネルを境する堤。…

※「錐体」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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