朝日日本歴史人物事典 「杉本ゆり」の解説
杉本ゆり
生年:文化10(1813)
浦上のキリシタン。浦上村山里郷浜口(長崎市)の人。洗礼名イザベリナ。慶応1(1865)年,大浦天主堂においてプティジャン神父に自分がキリスト教徒であると告げ「キリスト信者発見」を実現させた最初の発言者。同事件の報告書プティジャン書簡は「一人の婦人」として名を記さなかったが,ルノー,L.A.の日記〈明治8(1875)年9月13日〉に同人がプティジャン司教から聞いた談話として「我らの胸あなたの胸と同じと言った一人の婦人はエリザベトつるといい,浜口の産婆」とあるのを手掛かりに片岡弥吉が調査を行ったことにより判明。明治4年の浦上教徒事件で福山配流,信仰を保って帰郷。<参考文献>片岡弥吉「信者発見当時の最初の発言者について」(純心女子短期大学長崎地方文化史研究所編『プチジャン司教書簡集』)
(片岡千鶴子)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報