朝日日本歴史人物事典 「村上義礼」の解説
村上義礼
生年:延享4(1747)
江戸後期の外交官。妹は,天明4(1784)年に若年寄田沼意知を江戸城中で刺殺した佐野政言の妻。寛政4(1792)年11月,西丸目付のとき,遭難民の大黒屋光太夫を連れ根室に来航し,通商を要求したロシアのラックスマンとの交渉のため,蝦夷地松前に派遣される宣諭使に目付石川忠房と共に選ばれる。翌5年6月27日の会見では,通商交渉のため長崎入港を許可する信牌を与える。6年3月に目付,8年9月には江戸町奉行に進んだ。ロシアと公的に接触した最初の幕府外交官として,日露関係史上特筆すべき人物。<参考文献>『松前町史』通説編1巻下
(安藤優一郎)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報