東京新繁昌記(読み)とうきょうしんはんじょうき

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「東京新繁昌記」の意味・わかりやすい解説

東京新繁昌記
とうきょうしんはんじょうき

明治初期の随筆服部撫松 (はっとりぶしょう。 1841~1908) 著。6冊。 1874~76年刊。寺門静軒の『江戸繁昌記』にならって明治維新後の文明開化の波に洗われる東京の世相を,破格の漢文戯作体で書き綴ったコント風の記録多く読者を集め,著者の戯文家,ジャーナリストとしての出世作となった。

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世界大百科事典(旧版)内の東京新繁昌記の言及

【繁昌記】より

…《江戸繁昌記》に触発された類作には,棕隠の《都繁昌記》(1837),田中金峰の《大坂繁昌詩》(1862)があるが,その系譜を正統にうけついだものとしては,成島柳北の《柳橋(りゆうきよう)新誌》をあげるべきだろう。幕末から維新期にかけての花街風俗の変遷を活写したこの《柳橋新誌》を中継点として,〈繁昌記物〉は,服部撫松(はつとりぶしよう)の傑作《東京新繁昌記》(1874‐76)が出るに及んで最盛期を迎えることになった。それらの作品はいずれも,文明開化の粧いをこらした都市の風俗を,古風な漢文体で描いたところから生まれる滑稽感に特色がある。…

※「東京新繁昌記」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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