精選版 日本国語大辞典 「文明開化」の意味・読み・例文・類語
ぶんめい‐かいか ‥カイクヮ【文明開化】
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明治前期における西洋文明の摂取による近代化の現象をいう。「文明開化」の字義は、学問が進み世の中が開けることであり、また「近代化」と同義に使われることもあるが、普通には明治前期の歴史的現象をさすことばとして使われ、明治10年(1877)ころまで(自由民権期と対比して)または明治前半期(明治20年代のナショナリズムと対比して)をさして「文明開化期」と称したりする。
明治前期においては、「チョンマゲ頭を叩(たた)いてみれば因循姑息(いんじゅんこそく)の音がする、ザンギリ頭を叩いてみれば文明開化の音がする」と歌われたように、前時代の古いものを野蛮未開と否定し、怒濤(どとう)のように入ってくる西洋文物を摂取することが社会進歩の道であると観念され、「文明開化」はこの時期の優越的な合いことばとなった。「文明開化」ということばは、漢書に出典をもつ「文明」と「開化」を結び付けた造語であって、福沢諭吉が『西洋事情』において初めて使用したといわれる。
文明開化の現象は、生活の洋風化としては、シャボン、ランプ、洋傘、シャッポ、洋服や洋館、ガス灯、あるいは学校、新聞、雑誌、さらには和洋折衷の建築から牛鍋(ぎゅうなべ)まで、開化物として流行した。これらは東京、大阪、京都や開港場の横浜、神戸など大都市の中心街に際だってみられ、地方には一般化していなかったが、新聞、雑誌、錦絵(にしきえ)などによって、あるいは仮名垣魯文(かながきろぶん)『安愚楽鍋(あぐらなべ)』、加藤祐一(ゆういち)『文明開化』など文明開化の宣伝教化の出版物によって、全国の人々の心を魅了した。しかしなによりも全国民に「文明開化」を実感させたのは、岩倉使節団や海外留学生、御雇い外国人など、政府の意欲的な西洋文明摂取のもとに展開される開化政策であって、それは学制、徴兵令、地租改正などとなって全国民に降りかかってきた。それら諸政策は、これまでの生活慣習を急激に変えるとともに、民衆に負担を強いるものであったので、政府はたびたびの布達や教導職の動員、あるいは博覧会開催などの宣伝教化に努めた。地方への浸透は、都市部では比較的スムーズに、また農村部でも豪農商層にとっては新しい世界で自分たちが活動できる場の出現として受け止められたが、一般民衆にとっては大きな衝撃として受け止められ、血税一揆(いっき)など新政反対一揆が続発した。
[広田昌希]
『木村毅著『文明開化』(至文堂・日本歴史新書)』▽『ひろたまさき著『文明開化と民衆意識』(1980・青木書店)』
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明治維新後使用された新語。英語のシビリゼーションの訳語で,1873~75年(明治6~8)を頂点として憲法制定頃までの文化・世相に表れた西洋化現象を示す語。学制・地租改正・徴兵制,新橋―横浜間の鉄道,電信・郵便の開設,新聞の発行などである。文明開化の最初の用語は福沢諭吉の「西洋事情」外編(1868)とされる。明治政府は西洋風の新国家を建設すべく,多大の経費を投じ開化政策を強行し,国民生活に大きな影響を与えた。
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…そうした政府の積極的な施策にもかかわらず,当時における日本経済の現状は,これら先進的技術や設備を活用する条件を欠き,たちまち赤字経営に直面し,1880年には工場払下概則を制定して,軍需工場を除く一連の官営工場や鉱山,炭鉱などを三井,三菱,古河などの政商に払い下げた。
[文明開化]
こうした先進諸国を範とする近代化政策は,教育・文化の面でも必要とされ,欧米の教育制度や学問・思想が積極的に導入された。たとえば1872年(明治5)の学制は,欧米の学校制度をモデルとしており,また多数の御雇外国人(表,表(つづき)参照)を政府顧問や学校教師,技師などに採用して先進的な学問・技術の直接的な摂取をはかろうとした。…
※「文明開化」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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