朝日日本歴史人物事典 「東条英庵」の解説
東条英庵
生年:文政4(1821)
幕末の蘭方医,兵学者。毛利家の一門(右田毛利家)毛利筑前の家臣東条永玄の長男。長門国(山口県)生まれ。実名は英,寅,のち礼蔵。号は白玉,静軒。天保11(1840)年8月蘭医青木周弼 の門に入り蘭学を修めた。弘化1(1844)年緒方洪庵の適塾に,2年江戸の伊東玄朴に入門した。4年長州藩の西洋書翻訳御用掛に任じられ,嘉永6(1853)年には藩医に抜擢された。安政4(1857)年4月蕃書調所教授手伝,同年11月軍艦操練所(海軍兵学寮)教授方に就任。安政6年1月幕臣に登用され,元治1(1864)年9月開成所(蕃書調所の後身)教授職並となり,オランダ語を教授した。維新後は徳川家達に従って静岡に赴き,学問所2等教授に任じられた。<著作>『練率訓語』『電火銃小解』<参考文献>原平三「東条英庵―蕃書調所教授方小伝―」(『伝記』10巻2,4,5号)
(深瀬泰旦)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報