松伏溜井
まつぶしためい
江戸初期からの用水溜井。古利根川通りの葛飾郡松伏村と埼玉郡増林村(現越谷市)の間に堰が設置されたのに伴うもので、寛永七年(一六三〇)頃の成立とされる。この用水は当時庄内領中島村(現幸手市)から利根川(のち江戸川)を引水、八町目村(現春日部市)で古利根川に落されたので中島用水と称されていた。この溜井からは松伏領用水・二郷半領用水・新方領用水が引水され、さらに逆川を通じて瓦曾根溜井に送られ、四ヶ村用水・八条用水・東西葛西用水が引かれた。このなかで宝永元年(一七〇四)の関東洪水で江戸川の取水口をはじめ古利根川までの水路は土砂で埋没、用水機能は消滅した。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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