松尾郷(読み)まつおごう

日本歴史地名大系 「松尾郷」の解説

松尾郷
まつおごう

小屋敷おやしきのうちの松尾を遺称地とする。郷域等は不明。「塩山向嶽禅菴小年代記」大永六年(一五二六)条にみえる「松之尾村」は当郷のことと推定される。元亀二年(一五七一)三月一三日の武田信玄宛行状(陽雲寺文書)に「甲州松尾郷」とみえ、同所二〇〇貫など民部少輔の所領であった計三九七貫三五〇文と陣夫五人を、子息が民部少輔娘と結婚し民部少輔の遺跡を継ぐことを条件に兵庫助(武田信実)に宛行っている。「甲斐国志」などによれば、民部少輔は同年三月一〇日没した武田信虎の子信是にあたる。当郷は信是が信虎の側室であった母松尾氏の父松尾信賢(武田信昌の子)から継いだ所領らしい。信是の死後兵庫助信実(信玄弟、河窪氏)に宛行われ、その子信俊へ継承されたとみられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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