松島市五郎(読み)マツシマ イチゴロウ

20世紀日本人名事典 「松島市五郎」の解説

松島 市五郎
マツシマ イチゴロウ

明治・大正期の人力車夫 映画「無法松の一生」の主人公無法松のモデル。



生年
元治1年(1864年)

没年
大正7(1918)年

出生地
筑前国小倉(福岡県北九州市)

経歴
岩下俊作の小説「富島松五郎伝」及び阪東妻三郎主演の映画「無法松の一生」の主人公である“無法松”こと富島松五郎のモデルとされている人物。北九州で人力車夫を営んだ。作中では喧嘩沙汰を起こして“無法松”のあだ名が付くほどの暴れ者だが、義俠心に富み、世話になった軍人未亡人に仄かな恋心を寄せる一途な人間として描かれている。終生独身を貫いた小説の無法松と異なって、実在の人物の松島妻子がいたというが、その他はかなりの部分で両者に一致する点があるという。近代労働者にならず、人力車夫であることを貫き通したひたむきな生涯が人々の共感を得、小説・映画ともに大きな評判を呼んだ。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

今日のキーワード

ビャンビャン麺

小麦粉を練って作った生地を、幅3センチ程度に平たくのばし、切らずに長いままゆでた麺。形はきしめんに似る。中国陝西せんせい省の料理。多く、唐辛子などの香辛料が入ったたれと、熱した香味油をからめて食べる。...

ビャンビャン麺の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android