松島(読み)まつしま

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「松島」の解説

松島
まつしま

宮城県中部,松島湾とその沿岸一帯の地域。日本三景の一つ。塩竈市と,松島町東松島市七ヶ浜町にまたがる。1902年松島県立自然公園に,1952年国の特別名勝指定された。新第三紀凝灰岩や頁岩からなる 260余の島と海岸は,海食を受けて種々の奇観を呈す。周辺丘陵とともにクロマツに覆われているので「松島」の名が生まれた。湾口の七ヶ浜半島の多聞山(たもんざん。56m)からの眺望を「偉観」と呼び,宮戸島大高森(106m)からの眺めの「壮観」,湾北部の富山(117m)からの「麗観」,西岸の扇谷双観山(56m)からの「幽観」を合わせて,古来より松島四大観というように,松島の景観は場所により季節により変化に富む。湾内の内松島と湾外の外松島は対照的な景観を呈す。西岸の姉取山(138m)に有料道路パノラマラインもある。松島湾北西部の松島海岸は,交通の便がよいことから松島観光の中心で,雄島(おしま),福浦島などの松島八島と,国宝の瑞巌寺本堂(1953指定),国の重要文化財の五大堂(1901指定),観瀾亭などがあり,水族館,遊覧船の船着場,ヨットハーバー,ホテルや旅館,みやげ物店も多い。松島湾東部の宮戸島,寒風沢島(さぶさわじま),野々島,小烏帽子列島のあたりを奥松島と呼び,静けさが賞され,宮戸島の東側に海食崖の嵯峨渓がある。

松島
まつしま

熊本県南西部,天草諸島上島北東部にある地区。旧町名。 1955年今津 (いまつ) ,阿 (あ) ,教良木河内 (きょうらぎかわち) の3村が合体して松島村となり,1956年町制。 2004年3月大矢野,姫戸,龍ヶ岳の3町と合併,上天草市となる。旧町名は付近一帯の景観が日本三景の一つ松島に似ていることに由来する。エビ,真珠養殖が行なわれる。阿村は木造・機帆船の本拠地。天草五橋を結ぶ天草パールライン (国道 266号線) が通り,合津 (あいつ) 港では三角 (みすみ) ,八代,島原の各港へのフェリー天草松島の遊覧船が発着する。千巌 (せんがん) 山および高舞登 (たかぶと) 山 (ともに国指定名勝) からの天草松島の眺望は特にすばらしく,一部は雲仙天草国立公園に属する。合津付近で国道 266号線と 324号線 (ロザリオライン) が分岐。

松島
まつしま

長崎県中部,西彼杵半島西岸から約 1km西方にある島。旧村域。 1955年近隣町村と合体して大瀬戸町となり,2005年西海市に属する。大正期に炭鉱が開発され,人口も 1920年には1万 4000に達したが,1934年の水没事故で閉山。釜ノ浦は江戸時代に風待ち港,潮待ち港として栄え,後期には捕鯨基地でもあった。農業漁業の島。 1981年北部に主として石炭燃料とする出力 100万 kWの火力発電所が建設された。佐世保港,および対岸瀬戸港から船の便がある。面積 6.24km2。人口 789 (2000) 。

松島
まつしま

旧日本海軍の軍艦。日清戦争当時の『厳島』『橋立』と並ぶ日本主力艦3隻の一つ。 1891年に進水し,排水量 4300t,速力 16kn,主砲 32cm砲1,12cm砲 11。黄海海戦で活躍。『厳島』の2代目は敷設艦で,排水量 1970t,速力 17kn,機雷 300搭載。 (→三景艦 )  

松島
まつしま

常磐津節の曲名本名題『岸さざなみ常磐松島 (きしのさざなみときわのまつしま) 』。河竹黙阿弥作詞,6世岸沢式佐作曲。 1884年常磐津と岸沢両派の和解を記念して作られたもので,東北の名勝地松島を歌う。

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精選版 日本国語大辞典「松島」の解説

まつしま【松島】

[一] 宮城県中部、松島湾の湾岸と湾内二六〇余の島々から成る景勝地。島と松と静海の美は日本三景の随一といわれ、大高森の壮観・富山の麗観・扇谷山の幽観・多聞山の偉観を松島四大観とする。塩竈神社・瑞巖寺・五大堂などの史跡がある。歌枕。
源氏(1001‐14頃)須磨「松しまのあまのとま屋もいかならむすまの浦人しほたるるころ」
[二] 葉茶壺の一つ。大名物。葉茶が七斤余もはいるルソンの大壺。贅(こぶ)が三〇余もあり、紫釉(むらさきぐすり)の真壺(まつぼ)の典型的なもの。本能寺の変で消失
[三] 常磐津。河竹黙阿彌作詞。六世岸沢式佐作曲。明治一七年(一八八四)発表。不和であった常磐津と岸沢両派の和解を記念して作ったもの。七世常磐津小文字太夫の出身地、松島の名勝風物を歌い、優雅上品な曲として祝儀物とされる。

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百科事典マイペディア「松島」の解説

松島【まつしま】

宮城県中部,松島湾一帯の景勝地(特別名勝)。日本三景の一つ。湾内に散在する260余の島々は沈水した松島丘陵のかつての高所で,波食により奇景を呈し,白い岩肌(いわはだ)と松が調和している。平安期の歌集にみえる歌名所で,天台密教など霊場としても知られた。湾岸に瑞巌寺,五大堂,観瀾亭,塩竈神社がある。大鷹森,富山,多聞山,扇谷からのながめを〈四大観〉と呼ぶ。東北本線,仙石線が通じ,バス交通も発達,湾内に観光船が就航。
→関連項目象潟[町]松島[町]松島湾

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デジタル大辞泉「松島」の解説

まつしま【松島】

宮城県中部、松島湾一帯の景勝地。海食により奇観を呈する大小260余の島があり、松が茂る。日本三景の一。大高森おおたかもり富山とみやま扇谷おうぎがやつ山・多聞山たもんざんからの眺望がすぐれ、松島四大観と称される。瑞巌寺・五大堂・塩竈しおがま神社観瀾かんらん亭などがある。[歌枕]
「―や雄島の磯にあさりせし海人あまの袖こそかくは濡れしか」〈後拾遺・恋四〉

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デジタル大辞泉プラス「松島」の解説

松島

佐賀県唐津市、呼子港北北西約7キロメートルに位置する玄海諸島の島。面積約0.63平方キロメートル。安政年間に東隣にある加唐島からの入植者が島を開拓。その後、長崎黒島から隠れキリシタンが移り住み、キリスト教が定着した。現在に至るまで住民大半がカトリック信者で、“ロザリオの島”とも呼ばれる。

松島

長崎県西海市大瀬戸町、福島郷から松島水道を隔てた西沖に位置する島。面積約6.39平方キロメートル。江戸時代には捕鯨基地として栄えた。天明年間に石炭採掘が始まり、以後は炭鉱の島として発展したが、昭和初期に相次いだ出水事故を経て閉山。島内にはいくつかの炭鉱遺構が残る。島の北部に火力発電所がある。

松島

宮城県中部の塩釜市、松島町、七ヶ浜町など2市3町にまたがる景勝地。松島湾一帯の大小260あまりの島や白砂菖蒲田浜(しょうぶだはま)、アカマツやクロマツの林が織り成す景観美は日本三景にも数えられ、湾周辺の松島丘陵も含めた一帯は特別名勝に指定されている。

松島

岡山県倉敷市、下津井半島先端の久須美鼻の沖合い、約400メートルに位置する島。児島諸島に属する県内最小の有人島で、面積は約0.08平方キロメートル。瀬戸大橋を望み、藤原住友ゆかりの住友神社がある。

松島

島根県隠岐郡海士町、中ノ島の東北約2.7kmに位置する無人島。周辺の海はサンゴも見られるダイビングスポットとして知られる。

松島

兵庫県姫路市、西島の南約4.6kmに位置する播磨灘の無人島。松島灯台がある。

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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典「松島」の解説

松島
(通称)
まつしま

歌舞伎・浄瑠璃の外題。
元の外題
岸漣猗常磐松島 など
初演
明治34.7(東京・東京座)

出典 日外アソシエーツ「歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典」歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典について 情報

世界大百科事典 第2版「松島」の解説

まつしま【松島】

宮城県中部,仙台湾の支湾松島湾の沿岸部および松島湾に散在する島嶼(とうしよ)群の総称。日本三景の一つで,特別名勝。松島丘陵の南東部が,沈水して形成された湾入が松島湾で,沿岸は海食台地の隆起した比較的平たんな丘陵となり,沈水部の高所は段丘地形をもつ大小260余の島々や屈曲の多い岬となっている。これらは南東~北西方向の断層・褶曲系に支配されて規則的配列を示している。第三紀の凝灰岩,砂岩,レキ岩,泥板岩などからなる島のうち60余島にはクロマツ,アカマツが繁り,千貫島,兜(かぶと)島,仁王島など垂直の断面水平の縞模様,波形の海食崖など特殊な海食地形を示す。

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世界大百科事典内の松島の言及

【日本三景】より

…宮城県の松島,京都府の天橋立(あまのはしだて),広島県の厳島(いつくしま)を日本三景と称している。松島や天橋立はすでに平安時代中期までに,京都の貴族たちには広く知られた名勝地で,歌や名所絵のよき題材とされていた。…

※「松島」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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