板留村(読み)いたどめむら

日本歴史地名大系 「板留村」の解説

板留村
いたどめむら

[現在地名]黒石市板留

ふくろ村の西、中野紅葉なかのもみじ山の南麓にある浅瀬石あせいし川沿いの温泉場で、元禄四年(一六九一)の黒石御絵図(市立弘前図書館蔵)に「板留 出湯有」とある。万延元年(一八六〇)の「津軽道中譚」には「板留は黒石の御領也。前に沖浦川の急流あり。川に添ふて上中下三ケ所に温泉あり。眼病に功あり。秋分別して浴客多し」とある。板留の名は天文年間(一五三二―五五)の津軽郡中名字にあり、寛永年間(一六二四―四四)花山院忠長が命名したという説話(鶴泉記)は、地名の由来を説明するためにつくられた話であろう。

村高は元禄二年の黒石平内巳年郷帳(市立弘前図書館蔵)、同七年の黒石平内戌年郷帳(同館蔵)では三・九石、天保五年(一八三四)の郷村帳では四・六石とあるが、明暦二年(一六五六)の御知行割印形之控(「黒石領御日記」同館蔵)、正徳二年(一七一二)の公義江被差出候郷村之写(同館蔵)では七六・一八八八石とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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