枇島(読み)びろうじま

日本歴史地名大系 「枇島」の解説


びろうじま

志布志港の南約四・五キロの沖合に浮ぶ無人島。周囲約四キロ、面積約〇・二平方キロ。ビロウをはじめハマナタマメ、ハマアザミなどの亜熱帯性植物が全島を覆い、とくにビロウの密生が著しいことに島名が由来する。枇榔の文字は、ビロウの漢名蒲葵を書誤ったものが定着したものだという(三国名勝図会)。元禄国絵図によれば志布志川河口より当島までは海上二里の距離。島の周囲およそ一里であった(三国名勝図会)。ビロウ樹の葉は古代から中央において珍重され、「延喜式」内膳司にみえる檳榔葉、同書民部に大宰府交易雑物としてみえる檳榔馬蓑六〇領・同螻蓑一二〇領などは当島産ではないかと考えられている(三国名勝図会)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android