林木庄(読み)はやしぎのしよう

日本歴史地名大系 「林木庄」の解説

林木庄
はやしぎのしよう

鎌倉期―戦国期にみえる庄園名。現在の出雲市東林木町・西林木町に相当する地域と推定される。北流する斐伊川北山にぶつかって西流する曲り角にあたり、戦国期には交通の要衝であった。鳶が巣とびがす城は当庄を見下ろす山腹に築かれている。鎌倉期には神門かんど郡の内としてみえるが、戦国末期には出東しゆつとう郡の内としてみえる。元久元年(一二〇四)四月二三日の九条兼実置文(九条家文書)に女院庁分御領の一つとしてみえる。「三長記」同三年四月二四日条には「宜秋門院御領出雲国林木庄下文、自入道殿給之」とあり、筆者藤原長兼が九条兼実から預所職に補任されたと考えられる。乾元元年(一三〇二)頃の室町院領目録(八代恒治氏旧蔵文書)に「此外御領地」の一つとして「出雲国林木庄」がみえ、さらに建武三年(一三三六)八月二四日の九条道教家領目録案(九条家文書)に「出雲国林木・美淡両庄、領家職」とみえ、長期間にわたって本家職を皇室、領家職を九条家が所有し、その家司が預所職に補任されるという支配形態をとったと推定できる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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