出雲市(読み)イズモシ

デジタル大辞泉 「出雲市」の意味・読み・例文・類語

いずも‐し〔いづも‐〕【出雲市】

出雲

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日本歴史地名大系 「出雲市」の解説

出雲市
いずもし

面積:一七二・三三平方キロ

県の中心よりやや東部、出雲平野のほぼ中央に位置している。市域の約四九パーセントが平坦部であり、北は北山の分水嶺において平田市および簸川ひかわ大社たいしや町と接する。東は斐伊川により同郡斐川ひかわ町・大原郡加茂かも町、南西部は簸川郡湖陵こりよう町、南は緩やかな丘陵から中国山地へと続き、同郡佐田さだ町・飯石いいし三刀屋みとや町に接する。西部は日本海で海岸砂丘が発達する。北部の北山は南側に急な傾動山地で、標高は三〇〇―五〇〇メートルの狭長な山地である。南部の中国山地は比較的緩やかな地勢で、標高は二〇〇―五〇〇メートル程度であるが平坦地はきわめて少ない。両山地の間に斐伊川および神戸かんど川の形成した沖積平野が山陰随一の出雲平野である。土壌は褐色森林土壌が面積的に最も広く分布し、次いでグライ土・赤黄色土・灰色低地土の順になっている。当市は北陸型気候の西端域にあたる。冬期はシベリアからの季節風が強く、曇天の日が多い。平坦部の積雪量は一―二センチで、山陰的特徴は比較的少ない。夏の最高気温は三〇度前後の日が多い。市の全域を通じて山林三九・四パーセント、田畑二九・五パーセントと耕地の占める比率が高い。交通路としてJR山陰本線と一畑電鉄北松江線・同大社線がある。国道九号が市域を東西に走る。神戸川に沿って国道一八四号が通り、南の佐田町に抜ける。

〔原始・古代〕

約七千年前の縄文時代早期・中期には現在の出雲平野は古宍道湾という海で、後期になると宍道湖と神門かんど水海に分れたが、市域の大部分はまだ神門水海の内であったといわれる。以後斐伊川・神戸川の堆積作用により徐々に神門水海が縮小していく。なお近世以前には斐伊川は現武志たけし町の辺りから西流して日本海(神門水海)に注いでいた(大社町史)。縄文時代後期頃に三瓶山の噴火物が大量に流出して平野の形ができあがると、ようやく縄文人たちの採集的な生活が展開するようだ。これは矢野やの遺跡・三田谷さんたんだに遺跡における後期縄文土器の発見が示すところである。堆積が進んだ平野の各所に広がる干潟が格好の狩猟・漁労の場となったのであろう。矢野遺跡大社町原山はらやま遺跡とともに出雲平野の稲作農業発祥の地である。中期になると、ここを起点に農耕集落が分岐していく。天神てんじん遺跡・古志本郷こしほんごう遺跡などが新規に成立した集落である。こうして後期を迎えたころには神門水海の岸辺にはいくつかの有力な集落と小集落が一つにまとまって村落を形成していたことがうかがわれる。


出雲市
いずもし

2005年3月22日:出雲市・平田市と簸川郡大社町・湖陵町・多伎町・佐田町が合併
【大社町】島根県:簸川郡
【湖陵町】島根県:簸川郡
【多伎町】島根県:簸川郡
【佐田町】島根県:簸川郡
【平田市】島根県
【出雲市】島根県


出雲市
いずもし

2011年10月1日:出雲市が簸川郡斐川町を編入
【斐川町】島根県:簸川郡
【出雲市】[変更地名]島根県

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「出雲市」の意味・わかりやすい解説

出雲〔市〕
いずも

島根県北東部,日本海に臨む市。出雲平野を中心に北部は島根半島,南部は中国山地に広がる。1941年市制。1955年朝山村,稗原村,上津村の 3村,1956年神門村,神西村,長浜村の 3村を編入。2005年平田市,佐田町,多伎町,湖陵町,大社町の 1市 4町と合体。2011年斐川町を編入。斐伊川神戸川が市域の東と西を流れる。中心市街地の今市は出雲木綿の市場町として発展。今日も紡績工場がある。繊維を主とし,窯業,醸造,農機具,油脂,人造真珠,食品加工などの工業のほか,出雲大社への玄関口として商業も盛ん。平野部では米作や果樹栽培,日本海に面する漁村では沿岸・養殖漁業が行なわれる。出雲そばやワインは特産品。市内には万福寺,神門寺,観音寺などの名刹や出雲地方最大の今市大念寺古墳をはじめ,上塩冶築山古墳,上塩冶地蔵山古墳,宝塚古墳,荒神谷遺跡など国の史跡が多い。神戸川中流の立久恵峡は国の名勝・天然記念物。市域の一部は大山隠岐国立公園宍道湖北山県立自然公園立久恵峡県立自然公園に属する。JR山陰本線,一畑電鉄,国道9号線,184号線,431号線が通じる。面積 624.36km2。人口 17万2775(2020)。

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