北山(読み)きたやま

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

北山
きたやま

京都府南東部,京都盆地北側を囲む山地の総称東山西山に対する呼称丹波山地の南東端の部分にあたる。鞍馬山貴船山などが含まれ,清滝川上流部を中心とする地域は「北山丸太」と称するスギ磨き丸太 (床柱用) の産地として知られる。

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デジタル大辞泉の解説

きた‐やま【北山】

北方の山。
京都市市街の北側にある山々。船岡山衣笠(きぬがさ)山・岩倉山など。また、その一帯の称。
《「北」を「来た」の意に掛けた洒落から》
㋐恋慕の情が起こること。ほれること。→来る
「伊兵衛どのがちょこちょこ来るは、おきたどのに―ゆゑぢゃ」〈伎・稽古筆七いろは〉
㋑衣服などがいたんできたこと。また、食物が腐ってきたこと。
「ちりめんの小袖、よほど―と見え」〈洒・大通契語〉
㋒(多く、「腹がきたやま」の形で)腹がへってきたこと。
「ときに腹が―だ」〈滑・膝栗毛・初〉

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世界大百科事典 第2版の解説

きたやま【北山】

京都市の北側の山地の総称で,東山,西山に対する。古くは,三条天皇の北山陵,足利義満の山荘北山殿(金閣はその一部)など,現在の北区衣笠付近から大北山付近をさしたが,現在は丹波高地の南端部を広くさして使われる。北区中川,小野などを中心とする清滝川流域にかけて生産される磨き丸太は,北山丸太あるいは北山杉の名で知られる。【金田 章裕】

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大辞林 第三版の解説

きたやま【北山】

北方の山。北の方にある山。
◇ 特に京都北方の、船岡山・衣笠山・岩倉山などの諸山の称。
「北」を「来た」にかけた洒落。空腹になること、気があることなどにいう。 「時に腹が-だ/滑稽本・膝栗毛

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日本の地名がわかる事典の解説

〔京都府〕北山(きたやま)


京都市の市街地北方、丹波(たんば)高地南東部をなす山地。北(きた)区・右京(うきょう)区・左京(さきょう)区にまたがる。狭義には鷲ヶ峯(わしがみね)一帯の大北山(おおきたやま)地区をさす。東(ひがし)山・西(にし)山に対する。室町時代、山麓(さんろく)の鹿苑(ろくおん)寺(金閣(きんかく)寺)は北山文化の中心をなした。清滝(きよたき)川上流は「北山丸太」とよばれるスギの磨き丸太産地。

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精選版 日本国語大辞典の解説

きた‐やま【北山】

〘名〙
① 北方の山。
※万葉(8C後)二・一六一「向南山(きたやま)にたなびく雲の青雲の星離れゆき月を離れて」
② 特に、京都北方の諸山の称。船岡山、衣笠山、岩倉山など。また、その付近の称。
※古今(905‐914)秋下・二九七・詞書「きた山にもみぢをらんとてまかれりける時によめる」
③ 「来た」の意を「北」にかけていうしゃれ。
(イ) 気があること。
※歌舞伎・稽古筆七いろは(鳩の平右衛門)(1867)「伊兵衛どのがちょこちょこ来るは、おきたどのにきた山(ヤマ)ゆゑぢゃ」
(ロ) 衣服などがいたみ弱ること。また、食物の腐りかかること。
※洒落本・大通契語(1800)「著物はとび色ちりめんの小袖、よほどきた山とみへ」
(ハ) 腹がへること。空腹であること。
※歌舞伎・水天宮利生深川(筆売幸兵衛)(1885)二幕「然も今日も茶粥腹で、おなかが余程北山(キタヤマ)だ」
④ (京都の北山は、口寄せの巫女の多く出るところからのしゃれ) 接吻の異称。
[語誌](1)①の挙例「万葉‐一六一」の「向南山」を、吉野山・香具山などの特定の山をさすとする説もあるが不詳。
(2)平安時代には、②のように山城国愛宕郡(現在の左京区岩倉あたり)と、葛野郡から愛宕郡にかけて(現在の北区紫野から衣笠・鷹ケ峰を含む一帯)の二箇所をさした。

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