架空預金証書事件(読み)かくうよきんしょうしょじけん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「架空預金証書事件」の意味・わかりやすい解説

架空預金証書事件
かくうよきんしょうしょじけん

東洋信金事件。架空の預金証書担保にした詐欺事件。元料亭経営者の尾上縫は東洋信金の支店長と結託して偽造した 4100億円の預金証書を担保に,ノンバンクや日本興業銀行,富士銀行などから 3420億円の不正融資を受けていたことが発覚し,逮捕,起訴された。事件後,経営危機に陥った東洋信金の倒産を防ぐため,大蔵省主導で救済策がとられた。本体と5店舗は三和銀行が吸収合併し,残る 25店は従業員と預金ともども大阪府内 18の信用金庫に譲渡された。損害興銀と富士銀行,ノンバンク9社が分担することで,金融破綻を回避した。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android