染み返る(読み)シミカエル

デジタル大辞泉 「染み返る」の意味・読み・例文・類語

しみ‐かえ・る〔‐かへる〕【染み返る/×沁み反る】

[動ラ四]
色や香りなどが強くしみ込む。深くそまる。
丁字ちゃうじ黒むまで―・りたる一襲かさね」〈狭衣・一〉
深く心を打たれる。しみじみとする。
「―・り給へる御声の山の鳥どもも驚かい給ふべし」〈浜松・三〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「染み返る」の意味・読み・例文・類語

しみ‐かえ・る‥かへる【染返・沁返】

  1. 〘 自動詞 ラ行四段活用 〙 ( 「かえる」は、はなはだしくなるの意を表わす )
  2. 深く染まる。色や香りなどが、つよくしみこむ。
    1. [初出の実例]「『子持くさからぬ衾持て来』とて、香の唐櫃よりしみかへりたるもてまゐりたれば」(出典:宇津保物語(970‐999頃)楼上下)
  3. 深く心にしみ入る。しみじみとした感じに深くうたれる。また、夢中になる。
    1. [初出の実例]「しみかへり給へる御声の、山の鳥どももおどろかい給べし」(出典:浜松中納言物語(11C中)三)
    2. 「おもしろき事もさるほどにてそれにしみかへりてはなど心一やりて、人めにあまる難あり」(出典:十訓抄(1252)二)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

2022年度から実施されている高校の現行学習指導要領で必修となった科目。実社会や実生活で必要となる国語力の育成を狙いとし、「話す・聞く」「書く」「読む」の3領域で思考力や表現力を育てる。教科書作りの...

現代の国語の用語解説を読む