精選版 日本国語大辞典 「柚餠子」の意味・読み・例文・類語
ゆ‐べし【柚餠子】
- 〘 名詞 〙 柚(ゆず)の実の上部を切って中身を刳(く)り抜き、胡麻や生薑(しょうが)を混ぜ入れた味噌を詰め、切った皮を蓋にして蒸し、干したもの。現在では、求肥に柚のすりおろした皮や汁を加えたものなどもいう。ゆびし。ゆみそがま。《 季語・秋 》
- [初出の実例]「りかくよりむめ、ゆへしなとまいる」(出典:御湯殿上日記‐文明一六年(1484)三月一八日)
柚餠子の補助注記
室町時代には酒の肴などとして重宝された。江戸初期までは前記解説のような製法しか見られず、保存食的性格が強かったが、その後、道明寺糒(どうみょうじほしいい)や砂糖を加えたものが見られるようになり、菓子の一種ともなった。