国指定史跡ガイド 「栃本廃寺跡」の解説
とちもとはいじあと【栃本廃寺跡】
鳥取県鳥取市国府町にある寺院跡。袋川支流の大石川右岸に立地する白鳳(はくほう)時代に創建された古代寺院跡。柱孔、舎利孔をもつ塔心礎2基が約27.4m離れてあり、2基の塔がある古代寺院は山陰地方では特殊である。1935年(昭和10)に栃本廃寺塔跡として国の史跡に指定された。1997年(平成9)から4年にわたる発掘調査により、南塔、金堂が南北に並び、その北にある講堂は少し西にずれて配され、さらに金堂の東側に東塔を配するという、全国でも例のない伽藍(がらん)配置が明らかになった。寺院の大きさも確定され、約5400m2が2004年(平成16)に追加指定があり、名称変更された。総面積は約8400m2。また、山間部で多雪地域のためか、堂塔は瓦を用いない礎石建物であったと考えられている。JR山陰本線鳥取駅から車で約38分。