栄養要求変異(読み)えいようようきゅうへんい(その他表記)nutrition requiring mutant

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「栄養要求変異」の意味・わかりやすい解説

栄養要求変異
えいようようきゅうへんい
nutrition requiring mutant

酵素活性レベルで検出される突然変異の一形態であって,無変異体 (野生型) が必要とする最小限の栄養素以外に,特定物質の添加がないと成育できないもの。たとえばある生物がA という原料物質から
という反応系列で,必須物質B を合成する場合,E1~3 のどれかが突然変異で機能を失うと,その生物は原料A でなく物質B の直接添加を必要とすることになる。ただし E1 の変異ならばX またはY の添加,E2 の変異ならばY の添加によっても成育できる。栄養要求変異は,合成培地で成育させられる微生物の場合によく研究されていて,各種の変異株の栄養要求性を系統的に調べることによって,上例のように,反応系列を明らかにすることができる。特に G.ビードルと E.テイタムは,アカパンカビで栄養要求変異を研究して,アルギニンの合成経路を明らかにするとともに,一遺伝子一酵素説を提唱した。

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