核抑止力(読み)カクヨクシリョク(英語表記)nuclear deterrent

デジタル大辞泉 「核抑止力」の意味・読み・例文・類語

かく‐よくしりょく【核抑止力】

核報復兵器を保有することによって、国家間の戦争を思いとどまらせる力。また、他国核攻撃を思いとどまらせる力。「我が国安全保障は他国の核抑止力に依存している」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「核抑止力」の意味・わかりやすい解説

核抑止力
かくよくしりょく
nuclear deterrent

核抑止の機能を実際に果たす戦力。具体的には大陸間弾道ミサイル ICBM,潜水艦発射弾道ミサイル SLBM,戦略核爆撃機などの核兵器体系があげられる。ただし抑止という概念は本来心理的,相対的なものであるため,抑止力としてなにが十分かということも客観的には決められず,常に相互に作用,反作用を繰り返す傾向がある。アメリカ合衆国ソビエト連邦がともに複数独立目標弾頭 MIRV弾道ミサイル迎撃ミサイル ABMを開発したのは,核抑止力のこうした根本的な不安を解消できないためであった。冷戦後アメリカ,ロシア両国が戦略核兵器の大幅削減で合意してのちも抑止の概念は生き残っている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android