核兵器で報復すると威嚇し、敵対国の軍事攻撃を思いとどまらせるという理論。同盟国への攻撃を抑止する戦略上の概念は「核の傘(拡大核抑止)」と呼ばれる。威嚇を裏付ける報復能力を備えて、確実に使う準備があることを敵対国に伝え、認識させる必要がある。敵対国の指導者が理性的に判断することも前提とされ、こうした想定が崩れれば、核抑止が通用しないとの指摘もある。非核三原則を国是とする日本は、安全保障条約を結ぶ米国の核の傘に入っている。
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(坂本義和 東京大学名誉教授 / 中村研一 北海道大学教授 / 2007年)
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[抑止]
上記の力を保持することにより,敵の攻撃を抑止する機能をもつ。抑止のうち戦略的核抑止は,各核兵器保有国で重視されている。敵の先制攻撃により破壊されにくい核戦力をもてば,敵は報復をおそれ核攻撃を加えなくなる(戦争を抑止できる)と考えられている。…
… 米ソの核戦略は,おのおのの同盟国の国家戦略にも複雑な影響を与えてきた。核時代に入って,東西の集団的安全保障体制が形成され,東西の同盟国はそれぞれ,その安全保障を米ソの核抑止力に依存してきた。同盟国は集団的安全保障による東西それぞれの結束を重視すればするほど,自国の独自性を放棄し,米ソそれぞれの世界戦略に協調することを余儀なくされてきた。…
…国家間,あるいは冷戦体制のもとで分極化した世界にあってはブロック間の相互的な脅威の知覚は,際限のない軍備競争のきっかけとなり,戦争の危険をいっそう高めた。他方,核超大国(アメリカとソ連)における核軍備競争には,一方が核兵器による先制攻撃を仕掛ければ,他方による報復攻撃によって自国も壊滅することから,双方ともに先制の第一撃に抑制がかかるという,いわゆる核抑止nuclear deterrenceの現象も生じてきていたといわれる。しかし,たとえ核抑止が働いていようとも,偶発戦争や予防戦争までは避けられないので,まず相互的な脅威の知覚を双方において軽減し,双方が核軍縮を実現していくことが平和の確立のために強く望まれた。…
…軍備の開発,実験,生産,配備,使用などについて,国際的に合意された一定の規制を加えること。1960年代におもにアメリカで用いられるようになった核抑止理論である。この考えの背景には,米ソの基本的対立を前提とした,軍備の削減は不可能であるとの現実的認識がある。…
※「核抑止」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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