格安航空(読み)かくやすこうくう(その他表記)Low Cost Carrier; LCC

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「格安航空」の意味・わかりやすい解説

格安航空
かくやすこうくう
Low Cost Carrier; LCC

低価格の運賃で新たな乗客開拓を目指す航空会社,もしくはその事業形態。発端は 1970年代初めに運航を開始したアメリカ合衆国のサウスウェスト航空で,単一の航空機種を使い,座席数を増やして機内サービスを簡素化し,空港での折り返し時間を短くするとともに,従業員には複数の業務を兼務させるなど,経費を切り下げるためにさまざまな工夫を凝らした。格安航空会社 LCCは欧米諸国で 1980年前後から盛んになり,アジア諸国でも 21世紀に入る頃から出現し,日本へも乗り入れるようになった。これに対抗して,日本では 2012年初めて LCC 3社,全日本空輸 ANA系のピーチ・アビエーションとエアアジア・ジャパン,日本航空 JAL系のジェットスター・ジャパンが運航を開始,格安航空元年を迎えた。ただし,いずれも ANAまたは JALの子会社で,外国航空との合弁にすぎず,拠点も運行当初は成田国際空港関西国際空港の 2空港にとどまった。しかし,運賃は従来の大手航空会社に比べて半分,もしくは 3分の1という安さで,多くの旅行者をひきつけた。

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