山国神社(読み)やまぐにじんじや

日本歴史地名大系 「山国神社」の解説

山国神社
やまぐにじんじや

[現在地名]京北町大字鳥居

鳥居とりい集落東方の大堰おおい川の右岸に西面して鎮座。「延喜式」神名帳にその名がみえる。祭神大己貴命。山国一宮いちのみやとも称された。旧郷社。

創祀年代は社伝によれば宝亀年間(七七〇―七八一)と伝え、長和五年(一〇一六)勅願により正一位の神位を授与されたという。このとき春日かすが神社(二宮、比賀江)賀茂かも神社(三宮、中江)御霊ごりよう神社(四宮、比賀江)日吉ひよし神社(五宮、比賀江)を勧請して、当社とともに五社明神と称し、修理料として神田および山林が寄付された。その後、天福元年(一二三三)勅願により五社の宮を再建し、修理・祭祀料として神田一二五石下賜の綸旨を得たと伝える(古家撰伝集)。これらはいささか信憑性を欠くが、山国郷が古墳時代より開かれていた地であったこと、「延喜式」神名帳に山国神社が記されることから、平安中期の存在は確認できる。

山国郷が古代より禁裏御料杣地であった関係上、禁裏の崇敬厚く、「忠富王記」明応七年(一四九八)九月一二日条に「山国祭鞍置馬一昨日如例召下之、毎年今日申刻上洛処遅候間、迎可遣令用意候処、酉下刻京着、珍重々々」とあり、官祭の特典を受けたことがわかる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

デジタル大辞泉プラス 「山国神社」の解説

山国神社

京都府京都市右京区にある神社。延喜式内社。宝亀年間の創祀とされる。祭神は大己貴命(おおなむちのみこと)、大国主命(おおくにぬしのみこと)。

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