桑部村(読み)くわべむら

日本歴史地名大系 「桑部村」の解説

桑部村
くわべむら

[現在地名]桑名市桑部

現桑名市の南西部にあり、西金井にしかない村の西に位置する。北は町屋まちや川に臨み、南は丘陵地で谷筋が多く、小字名にも地蔵谷じぞうだに大仏谷だいぶつだに長谷ながたに大谷おおたにますたに岩谷いわたにがある。「五鈴遺響」には文治年中(一一八五―九〇)「伊勢平氏ノ党桑名三郎行政左衛門尉ニ任シテ鎌倉ヨリ令シテ所知セリ」とあり、行政は桑部に居住したとしている。織田信雄分限帳では「当知 弐百貫文 横郡桑部郷内 佐久間右馬之允」「(弐)百六拾貫文 横郡桑部郷内 伊藤久右衛門」とある。

枝郷に西谷にしたに村があり、慶安郷帳(明大刑博蔵)、元禄郷帳ともに独立して記録されるが、天保郷帳では合併して桑部村として記録されている。明暦(一六五五―五八)頃、村内の豪農久木八左衛門が町屋川沿岸を開発し、五町一反二畝二六歩の八左衛門はちざえもん新田ができた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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