改訂新版 世界大百科事典 「梁山古墳群」の意味・わかりやすい解説
梁山古墳群 (りょうざんこふんぐん)
Yangsan-kobungun
大韓民国,慶尚南道梁山郡梁山邑北亭里,新基里,北部洞などに所在する。洛東江の東岸にあたり,その支流明谷川をはさんで南北に二つの古墳群が分布する。北の城隍山城(北山城)の北西にのびる稜線上に立地する古墳群は100基以上の円墳からなる。その西端の北亭里10号墳(梁山夫婦塚)は,1920年に発掘された。径27mほどの円墳で,短い羨道をもつ竪穴系横口式石室墳である。玄室内の棺台(石床)上に,夫婦とみられる遺骸を伸展葬していた。主人を埋葬した後,棺台を改築して婦人を葬った合葬であり,主人・婦人とも,宝冠・耳飾・銙帯(かたい)などで盛装していた。玄門側の床面には遺骸3体を安置し,副葬品も貧弱であることから,従臣などを殉葬した可能性がつよい。6世紀前半から中葉ごろの築造である。北亭里18号墳は7世紀代の横穴式石室墳である。南の標高300mの東山城の西に分布する古墳群は約70基からなる。いずれも未調査である。
執筆者:東 潮
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報