森林認証制度(読み)しんりんにんしょうせいど

百科事典マイペディア 「森林認証制度」の意味・わかりやすい解説

森林認証制度【しんりんにんしょうせいど】

環境,社会,経済のいずれの視点から見ても持続可能な森林管理を行っている経営体を認証する制度。独立した第三者機関が,一定の原則と基準に照らして評価・認証する。世界的な森林減少劣化と,グリーン・コンシューマリズムの高まりを背景に生まれた。森林認証を受けた経営体は,認証マーク(ラベル)を木材製品に表示することが認められ,市場にアピールする手段として利用できる。認証を行う国際的機関として,〈森林管理協議会(FSC,Forest Stewardship Council)〉(1993年設立,本部ドイツ)が知られる。FSCのプログラムによって認証された森林は,世界79ヵ国の937ヵ所,約1億346万ha(日本では24ヵ所,約28万ha。2008年5月現在)。近年,FSC認証マーク入りの紙製品も発売されている。国内独自の制度として2002年,《緑の循環》認証会議(SGEC)が設けられた。→森林森林保護グリーン・コンシューマー

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知恵蔵 「森林認証制度」の解説

森林認証制度

「持続可能な森林経営」の基準に基づいて森林管理と生産が行われているかどうかを審査・認証する制度。認証は、10の原則と56の基準に基づいて実施。認証を取得するとラベルを表示することができる。森林認証機関としては、FSC(森林管理協議会=本部ドイツ)、米国林業・紙パ協会、PEFC(欧州森林認証組織)が有名。このうち最も動きの早いFSCの場合、「森林管理」と「生産・流通加工(CoC認証)」の2種類の認証がある。2006年6月現在、森林管理認証は世界72カ国836カ所・約7646万ha、日本24カ所・約27万ha、CoC認証は世界で4万4929件、日本で336件と、いずれも着実に伸びている。

(池上甲一 近畿大学農学部教授 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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