20世紀日本人名事典 「椎名其二」の解説
椎名 其二
シイナ ソノジ
大正・昭和期のフランス文化研究者
- 生年
- 明治20(1887)年2月12日
- 没年
- 昭和37(1962)年4月3日
- 出生地
- 秋田県仙北郡角館町
- 学歴〔年〕
- 早稲田大学文学部中退,ミズーリ州立大学新聞科卒
- 経歴
- セントルイス、ボストンなどで記者生活の後、大正3年渡仏。社会学者ポール・ルクリュと出会い、その学僕としてアナキズムの洗礼を受ける。南フランスを放浪中マリー・ドルバルと結婚。第1次大戦中はパリの火薬工場で働き、大正11年妻子と帰国、早大で教鞭をとり、ファーブルの「昆虫記」を翻訳。昭和2年再び渡仏、以後30年間をパリで過ごす。第2次大戦後は製本業を営み、パリ人から親しまれた。32年10月日本に帰り中央公論に「自由に焦れて在仏40年」「パリで知った黒岩涙香」「石川三四郎のこと」などを書き、「声」に農民作家エミール・ギヨマンその他」を発表、ラクロアの「出世しない秘訣」を翻訳して話題となった。しかし日本は肌に合わず35年12月またフランスへ戻り、ルクリュ家で余生を送った。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報