ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説
昆虫記
こんちゅうき
Souvenirs entomologiques
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フランスの博物学者J・H・ファーブルの著作。1879~1910年に出版された全10巻の昆虫観察記録。副題として「昆虫の本能と習性の研究」とあるように、昆虫の生活における驚嘆すべき本能と習性を冷静に観察し、ときに巧みな実験によって明らかにしている。いくつかの章は自らの半生の自伝的回想にあてられている。観察の対象となった昆虫は多様で、クモやサソリも含まれる。糞(ふん)を丸めて餌(えさ)にしたり、そこに卵を産み付けるタマコガネ(フンコロガシ)の習性、著者の最初の研究対象になったハチの一種ツチスガリの狩猟方法などの記載はとくに有名。タマコガネの卵が、糞でつくられた洋ナシ型の玉の首のところに産み付けられることを、最初の観察から40年後に発見するくだりなどは、実に感動的である。『昆虫記』は文学的にみても優れた作品であり、文学者ロスタンはファーブルを、「詩人のごとき感覚をもち、詩人のごとく表現する」とたたえた。動物文学としてはシートンの『動物記』と肩を並べるが、『昆虫記』のほうがより客観的に対象をとらえており、擬人化の程度も少ない。『昆虫記』は日本ではとくに愛読され、和訳も数多い。
[八杉貞雄]
『ルグロ著、平岡昇他訳『ファーブル伝』(1960・白水社)』▽『山田吉彦・林達夫訳『昆虫記』全20巻(岩波文庫)』
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…また,その動作からdung‐pusherとも呼ばれる。【林 長閑】 ヒジリタマオシコガネは,ファーブルの《昆虫記》によって有名である。ファーブルは40年以上の歳月をかけてこの虫を調べ,その経過は《昆虫記》の,主として第1巻と第5巻に詳しく述べられている。…
…アメリカでは全博物図鑑中の最大傑作といわれるJ.J.オーデュボン《アメリカの鳥類》がほぼ同時期に出版されている。一方,博物学書は文芸作品と同じ感覚でも鑑賞されるようになり,G.ホワイトの《セルボーン博物誌》を先駆けとして,J.H.ファーブル《昆虫記》やE.T.シートン《動物記》のような人気作品が書かれた。 20世紀にはいると博物学は,生物学プロパーというよりもむしろ専門家でない自然愛好者が手がける分野と考えられるようになり,記述の学あるいは自然観察の学の全般的衰退をみるに至った。…
※「昆虫記」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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